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『中空』 鳥飼否宇 

中空 (角川文庫)
東京創元社の近刊の中に『樹霊』の文庫化があるのを見て思い立ち、再読。

終盤の展開はかなりの力技だなあと思った記憶はありましたが、読み返してみたら、思っていた以上で驚きました。いやー、すごいや。
このちょっとトンデモなところは好き嫌いがわかれるところかもしれませんね。
いろいろ突っ込み所はあるけど、デビュー作らしいヘンな勢いがあって私は嫌いじゃないです。

満開の竹の花(といっても私は竹の花を知らないのだけど)に隠されるような人里離れた小さな村で起きる事件は現実味がなくて、今いる現実から一歩踏み外したところにいるみたいです。
この雰囲気もわりと好き。

それにしても文庫の表紙、素敵ですねえ…。

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『魚神』 千早茜 

魚神
本土から追われた人々が住む閉ざされた島。捨て子で姉弟として育てられた白亜とスケキヨは、お互いのみを心の拠り所としていた。やがてスケキヨは島の裏側の町へと売られ、白亜は美貌で評判の遊女となっていた。

表紙の雰囲気とあらすじから、好みの話に違いないと思ってはいました。
もっともっとぬめぬめとしてひんやりしている文章かと思っていたのですが、読んでみたら思ったよりもぬめぬめ度が低かったです。物足りないところもありましたが、全体としては好きな感じ。

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『たまさか人形堂物語』 津原泰水 

たまさか人形堂物語
この本、図書館の新着案内の中にあったのを見て「え、新刊出てたんだ!」だったので、手元にくるまでどんな話なのかはおろか、装丁も厚さも全く知りませんでした。
図書館のカウンターで受け取った時の最初の印象は、「薄いなあ」。で、本を開いた時は「字、大きめだなあ」。なんだかんだいって物語のボリュームと話の長さを結びつけて考えがちな私は、今回はさらっと気軽に読める感じなのかなーと、ものすごく軽い気持ちで読み始めました。

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『太陽の坐る場所』 辻村深月 

太陽の坐る場所
高校を卒業して10年。毎年開かれるクラス会の席で話題になったのは、今は女優となった「キョウコ」のこと。どうすれば彼女は次の同窓会に来てくれるだろう?気がつくと聡美は皆を代表してキョウコに会いに行くことに…。

高校の同級生5人が交代で語り手となり、それぞれがそれぞれの形で囚われたままでいる高校時代のこと、そして現在の状況が語られていきます。

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『夜市』 恒川光太郎 /角川書店 

夜市日本ホラー小説大賞を受賞した「夜市」と、「風の古道」の2つの中編を収録。

街灯の光さえ届かない森の中にあらわれた夜店。そこで扱われている様々な不思議なもの。たとえば<黄泉の河原で拾った丸い石>とか<なんでも斬れる剣>とか。それらのイメージは私の好みです。あとは「永久放浪者」とかいう言葉が特に説明なしにぽんと出てくるのも好き。完全に異世界の話というのではなくて、現実からほんの少しズレたところにそれがあるというのも大好きな設定。
文章は読みやすいし、私も夜市にいるみたいでわくわくするな、これからいったい何が起きるんだろうな、と思いながら読み進みました。
だけど、話が後半に入っていろいろなことが明かされはじめたあたりから急にわかりにくくなっちゃったんですよ。どうしてもひっかかってしまったのが、裕司がいづみを誘ったとき、彼がどこまで思い出していたのかということ。そこで全部わかっていたとしても、そうでなかったとしても、どうもつじつまが合わないような気がするのです。私の理解度が足りないだけなのかもしれないけど。
その「よくわからないなー」という気持ちをそのままに読み進んでしまったのは私の失敗。最後はわりと好きな終わり方だったので、状況をちゃんとわかっていたらもう少しぐっときたんじゃないかな、と思います。

ただ、全体の印象としては、ちょっと物足りないな、です。
「風の古道」もそうなんだけど、あらすじは好きだし、こういうの好きだなと思う場面もあるんだけど、読み終えた時の気持ちの盛り上がりが小さいように思う。
こういう方向の話には、”読み終えて本を閉じて顔をあげた時、読み始める前とほんの少し世界が違って見える”ような読後感を期待してしまうのです。今回はそれが感じられなかったのが残念。
ただ、自分のツボと遠いわけじゃないので、次作も読んでみたいなと思います。

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