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『ノスタルジア』 埜田 杳  

ノスタルジア (角川文庫)
眠れない夜、ふと窓を開けてみる。まるで深海のような街。その海の底を漂うように歩く同級生矢鳴と出会う。
その夜をきっかけに言葉を交わすようになった僕と矢鳴。彼は僕に「あれ」 ―体の一部に羽が生え、飛んでいってしまうという奇病― に罹っていることを告げる。

読み終えてあらすじを思い返してみると、設定自体は現実とは思えないファンタジックなものなのだけど、読んだ印象は不思議とファンタジーではないのです。かといって現実的というわけではなくて、「僕」が窓の外に見たような、暗い、けれども透明な海の底をたゆたっているような、そんな感じでしょうか。

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『明日の話はしない』 永嶋恵美 

明日の話はしない
「明日の話はしないと、私たちは決めていた」で始まる3つの物語+最終話。
語り手は、小児病棟に入院する少女、橋の下で生活をするオカマのホームレス、スーパーのレジ打ちをしながら恋人とその友人2人の4人で暮らす女。

ちょっとすごいなと思うのは、どの話の語り手にも感情移入できないところ。語り手が女(ひとりはオカマだけど)なのにもかかわらず、です。でもきっとそういう読み方でいいんじゃないかと思う。悪意ある行動をする登場人物に「そうするのも仕方がないんだ」なんて同情することのできないような描き方は、語り手に気持ちが寄り添わないぶん、物語から少し離れて追っていく感じで面白かったです。
最後に明らかになることのだいたいは途中でなんとなくわかってしまったのが残念。わかっていても驚くようなエピソードがあったらもっとよかったのだけどな。

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