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『at Home』 本多孝好 

at Home
タイトルの通り、様々な形の家族を描いた短編集。
「このお茶碗、ヘンな形だよ。本当にお茶碗なの?」
「お茶碗に見えなくてもちゃんとご飯を食べられるから大丈夫、お茶碗だよ」
って感じでしょうか。
…わかりにくいですね?でも私の印象をぱっと言葉にするとこんなふうなのです。

表題作の「at Home」の設定が奇抜で面白かったです。比べると他は少し地味な気もしますが、どれも大切な気持ちをさらりと読ませてくれました。

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『水の時計』 初野晴 

水の時計 (角川文庫)
本棚で『中空』と並んでいたため、久しぶりに手に取りました。

読み始めたら止まらなくなってしまって、ほぼ一気読み。
文章は読みやすいし、物語と読んでいる私とか一体になるまでが早いです。これって重要。
章毎に語り手が変わるため、彼らから見たすばるが語られるだけで、彼の気持ちが直接わかる描写はあまりないけれど、白くなってゆく髪の色と険しくなってゆく顔つきが抱えたものの大きさを伝えてくれます。
話の大筋は覚えていたのに、終盤はやっぱり泣いてしまいました。

そういえば、この本を読んでずいぶん経ってから作者が男性だと知って驚いたっけ。
わかって読むと葉月の描かれ方なんかは確かにそうかなーとは思うけど、名前の雰囲気と文章の瑞々しさから女性だと思い込んでいたんですね、きっと。
この本が好印象だったので後の著作も購入しているのに最近の何作かは積読になっています; もったいないですね。これを機会に読みたいな。

『アイスクリン強し』 畠中恵 

アイスクリン強し
舞台は明治23年。西洋化の波が押し寄せる中洋菓子店を開こうとしている青年が主人公。回りを固めるのは、自分たちを「若様組」と呼ぶ士族の子息の巡査たち。紅一点は、時代に乗って成り上がった裕福な家の娘さん。
このとてもとても心惹かれる設定に、表紙の絵がまた素敵なものだから、期待がどうしても大きくなってしまいます。

過度の期待を持って読み始めたのがいけなかったのか、なかなか登場人物たちが頭の中で像を結んでくれず、1話目を読み終わるのに結構時間がかかってしまいました。
そこから先は波に乗れたようですんなり最後まで読むことができたのですが、読み終えての感想は、「うーん、物足りないなあ」。
物語全体の雰囲気を重くしたくなかったのかもしれないけど、この時代の暗い部分について話に取り入れているのに、それをあまりにもさらっと流している感じがしてしまって。
特に「ゼリケーキ儚し」の後どうなったかについて、後の話の中で全く触れられていないことが残念。そこ、重要ではないのかな?

設定はとても魅力的なだけに、惜しいなーという気持ちです。

『チェーン・ポイズン』 本多孝好 

チェーン・ポイズン
単調な毎日の中に生きる意味を見出せず、このまま続いていく将来には漠然とした絶望しかない。彼女の口から「死にたい」という言葉がこぼれたとき、近づいてきた人物が言った。

 本当に死ぬ気なら、あと一年待ちませんか?
 一年我慢すれば、私が楽に死ねる手段を差し上げます。


本多孝好さんの本は、デビューからしばらくは新作が出るたび追いかけるように読んでいたのですが、ここ何作かは未読です。だから余計にそう思ったのかもしれませんが、以前に読んだ物語とはずいぶん雰囲気が違うなと思いました。なんていうのかな、少し闇に足を踏み入れたような感じ。

物語は、謎の人物から一年後の死の手段を提示された女性が語る「その日」までと、同時期にアルカロイド系の薬物での自殺が続いたことに不審を抱いた週刊誌記者が女性が何故死に至ったのかを追うさま、時系列の違う2つの話が交互に綴られていきます。

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『ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下』 ダン・ブラウン /角川文庫 

ダ・ヴィンチ・コード(上)読み始めてわりとすぐに思ったのは、「これって、とっても娯楽!?」

…いえ、悪い意味ではありません。
昨年発売されてからずいぶん話題になってちょこちょこと評判は耳にしたけど、読むつもりでいたから細かい感想は読まないようにしていたんですよ。
でも、テレビで検証番組をやっていたのは見ました。その時の取り上げられ方から、もっと小難しい理屈っぽい話だと勝手に思い込んでいたのです。
その印象はいくらも読み進まないうちにすっかり変わりました。だって、いきなり主役が…なんて、ハリウッドの映画みたいだもん。

しかし、上巻が終わったところで全然いいとこなしの主役というのもめずらしいですね。どんどん行動するソフィーと、彼女に押されぎみのロバート。謎を解くための知識を持っている人のはずなのに、全然「俺にまかせろ」っていう感じがしないどころか、時々「ロバート、それで大丈夫なの?」って心配になるようなことを言ったりする。このあたりも面白いところなのかな。私の好きなタイプではないけど(苦笑)

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品に関すること、シオン修道会、テンプル騎士団についての薀蓄は面白かったです。歴史に秘められた真実、というのはやはり魅力的な話題です。っていうか、「秘密結社」っていうだけでもうわくわくするんですけど(笑)
ただ、前にも書きましたが、昨年テレビで放送された検証番組で、本の中で本来なら「そういう見方があるのかっ!」と驚くべきところを見てしまっていたのが残念。「ストーリーはエンターテイメント!だけどその間で語られる薀蓄がすごい」のがこの物語の面白いところなんだろうな、もし薀蓄部分を先に見ていなければ、もっと盛り上がって読んだんじゃないかなと思うのです。

これを映画化というのは、面白そうですね。

ただもうひとつ、残念だったこと。
これは思いっきり結末に関わることなので、未読の方はご注意下さい。

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