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『at Home』 本多孝好 

at Home
タイトルの通り、様々な形の家族を描いた短編集。
「このお茶碗、ヘンな形だよ。本当にお茶碗なの?」
「お茶碗に見えなくてもちゃんとご飯を食べられるから大丈夫、お茶碗だよ」
って感じでしょうか。
…わかりにくいですね?でも私の印象をぱっと言葉にするとこんなふうなのです。

表題作の「at Home」の設定が奇抜で面白かったです。比べると他は少し地味な気もしますが、どれも大切な気持ちをさらりと読ませてくれました。

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『木暮荘物語』 三浦しをん 

木暮荘物語
今にも崩れそうな木造2階建てのアパート、木暮荘の住人とその周りの人々を主人公にした短編集。
テーマはセックス…というか、性欲なのかな。様々な年代の様々な立場の人が、時に欲に振り回され、時に冷静にそれを考える姿がなんともいえないおかしみのある話ばかり。テーマの割にちっともねっちょりしていなくて、さらりと読めました。本当にしをんさんは物語に合った文章を書かれるなあ。

好きなのは、「シンプリーヘブン」と「嘘の味」。
最初はえ!?と思ったけど読んでいるうちにヘンに気に入っちゃったのは「穴」。それに続く「ピース」の光子と神崎の関係。現実的にはありえないと思うけど(笑)
「心身」はちょっとついていくのに息切れしましたが、この話がこの本の大事なところに一番近いのかな、とも思います。性欲は生きていく欲につながっている、生きていくってかっこ悪くてせつなくておかしいなあ、でもなんだかいとおしい、そういう気持ちになったから。

続きを知りたいけれど、読みたくはない。そういう、いい気持ちで本を閉じました。

『八日目の蝉』感想の続き 

昨晩録画した「ひみつの嵐ちゃん」を見ている最中に、突然(本当に突然、何の関係もない番組なのに(笑))、なぜ私が『八日目の蝉』を上手く消化できなかったのかに気がつきました。
なので、忘れないうちに記録。

私は、希和子の気持ちに共感しつつも、共感する自分が嫌だったんだと思う。
もしも誘拐された方の立場だったら?どんなに愛してくれたとしても連れ去りは絶対に許せない。許しちゃいけない。
だけど、希和子が薫を見る目は間違いなく母の目なんじゃないかとも思う。でもそう思って彼女を正当化しそうな自分が嫌。
どっちの気持ちも本当で、だから物語に入り込めそうで入り込めず、感情に任せた読み方ができなかったんだな。

これだけ読んだ後まで引きずるということは、読んでよかったんだなと思います。

ドラマは見ていなかったけど、どういうふうに描かれていたんだろう?
春に公開される映画も気になります。

『八日目の蝉』 角田光代 

八日目の蝉 (中公文庫)
ずっと名前は知っていたけれど、守備範囲ではないと思っていたので角田さんの本は初めて。
手に取ったのは帯の「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした」が引っ掛かったから。どういう話なのかが気になって思わずレジへ。

誘拐は決して許されない罪だと思う。どんな事情があったとしても、希和子がしたことを肯定はできないし共感もできない。そのはずなのに、気が付くと彼女と気持ちを合わせてしまい、何度も泣きそうになりました。
たくさんのものを奪ったけれど、かけがえのないものを与えたのかもしれない。でもやっぱり許されることでは・・・と頭のすみでぐるぐる考えつつ読み終えました。

面白かったのかどうかは、正直よくわかりません。
ぐいぐい引き込む小説の力はあったと思うけど、内容をどう消化していいのか持て余している自分がいます。

ただ、最後に見えた光が心に残っています。彼女たちがあの光の中を歩いていけたらいいな。

『うさぎ幻化行』 北森鴻 

うさぎ幻化行 (創元クライム・クラブ)
飛行機事故で命を落とした義兄が残した「音」の記録。義兄にうさぎと呼ばれていたリツ子は、この記録が自分宛てではないのではと感じる。もう一人のうさぎとは誰なのか。音の向こうに隠されたメッセージとは?

北森さんの作品は、すごく好きだと思うものと、うーん…と思うものに結構はっきりとわかれるのですが、今回は後者かなあ…。
全体の仕掛けは面白いと思うし、複雑に絡み合ったものが向かった結末もいいのだけど、ひとつひとつの謎解きが私にはちょっと理屈っぽくて、素直にああそうかと思えなかったので。

とはいえ、もっと北森さんの作品を読みたかったと思う気持ちに変わりはなく、とても残念です。
未読の作品がまだあるし、機会をみつけて再読もしたいなと改めて思いました。

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