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『野良女』 宮木あや子 

野良女
毎日楽しくやってきたけれど、ふと気がつくと将来への不安が目の前にちらつく。そんな年頃の女5人の、たたかいの日々というか幸せ探しの日々というか…。

とにかくシモネタが多いのだけど、どの登場人物もそれを「晩ごはん何食べたい?」みたいに普通に話すものだからいやらしさはないですね。体の不安からDVまで結構ディープな内容のはずなのにそれを感じさせないのがすごい。女同士のおしゃべりのあの勢いがそのまま、いや、パワーアップして本になった感じです。まあ実際は、あそこまであけすけに話すことはさすがにないけど。男の人が読むと「オンナってこんな会話してんの!?」って感じなのかなあ。
時々思わず噴出しそうになりつつさくさく読み進んで、気がついたらまとめの最終話。

面白かったです。
でも、好きかというと、あまり好きではないかなあ。
たぶん彼女たちと私が高校で同じクラスだったら、きっと同じグループにはいないと思うのですよ。好き嫌いじゃなくて考え方とか楽しいと思うこととかが違ってて。
そのあたりのズレのせいか、どっぷりハマることなくどこか冷めたまま読んじゃったように思うのです。
これがミステリとかSFとかなら自分と切り離して読んでいるからたいていのことは受け容れOKなのですが…。

『セレモニー黒真珠』が大当たりでかなり期待していたため、好みじゃなかったのが残念。

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『水の時計』 初野晴 

水の時計 (角川文庫)
本棚で『中空』と並んでいたため、久しぶりに手に取りました。

読み始めたら止まらなくなってしまって、ほぼ一気読み。
文章は読みやすいし、物語と読んでいる私とか一体になるまでが早いです。これって重要。
章毎に語り手が変わるため、彼らから見たすばるが語られるだけで、彼の気持ちが直接わかる描写はあまりないけれど、白くなってゆく髪の色と険しくなってゆく顔つきが抱えたものの大きさを伝えてくれます。
話の大筋は覚えていたのに、終盤はやっぱり泣いてしまいました。

そういえば、この本を読んでずいぶん経ってから作者が男性だと知って驚いたっけ。
わかって読むと葉月の描かれ方なんかは確かにそうかなーとは思うけど、名前の雰囲気と文章の瑞々しさから女性だと思い込んでいたんですね、きっと。
この本が好印象だったので後の著作も購入しているのに最近の何作かは積読になっています; もったいないですね。これを機会に読みたいな。

『中空』 鳥飼否宇 

中空 (角川文庫)
東京創元社の近刊の中に『樹霊』の文庫化があるのを見て思い立ち、再読。

終盤の展開はかなりの力技だなあと思った記憶はありましたが、読み返してみたら、思っていた以上で驚きました。いやー、すごいや。
このちょっとトンデモなところは好き嫌いがわかれるところかもしれませんね。
いろいろ突っ込み所はあるけど、デビュー作らしいヘンな勢いがあって私は嫌いじゃないです。

満開の竹の花(といっても私は竹の花を知らないのだけど)に隠されるような人里離れた小さな村で起きる事件は現実味がなくて、今いる現実から一歩踏み外したところにいるみたいです。
この雰囲気もわりと好き。

それにしても文庫の表紙、素敵ですねえ…。

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