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『夜市』 恒川光太郎 /角川書店 

夜市日本ホラー小説大賞を受賞した「夜市」と、「風の古道」の2つの中編を収録。

街灯の光さえ届かない森の中にあらわれた夜店。そこで扱われている様々な不思議なもの。たとえば<黄泉の河原で拾った丸い石>とか<なんでも斬れる剣>とか。それらのイメージは私の好みです。あとは「永久放浪者」とかいう言葉が特に説明なしにぽんと出てくるのも好き。完全に異世界の話というのではなくて、現実からほんの少しズレたところにそれがあるというのも大好きな設定。
文章は読みやすいし、私も夜市にいるみたいでわくわくするな、これからいったい何が起きるんだろうな、と思いながら読み進みました。
だけど、話が後半に入っていろいろなことが明かされはじめたあたりから急にわかりにくくなっちゃったんですよ。どうしてもひっかかってしまったのが、裕司がいづみを誘ったとき、彼がどこまで思い出していたのかということ。そこで全部わかっていたとしても、そうでなかったとしても、どうもつじつまが合わないような気がするのです。私の理解度が足りないだけなのかもしれないけど。
その「よくわからないなー」という気持ちをそのままに読み進んでしまったのは私の失敗。最後はわりと好きな終わり方だったので、状況をちゃんとわかっていたらもう少しぐっときたんじゃないかな、と思います。

ただ、全体の印象としては、ちょっと物足りないな、です。
「風の古道」もそうなんだけど、あらすじは好きだし、こういうの好きだなと思う場面もあるんだけど、読み終えた時の気持ちの盛り上がりが小さいように思う。
こういう方向の話には、”読み終えて本を閉じて顔をあげた時、読み始める前とほんの少し世界が違って見える”ような読後感を期待してしまうのです。今回はそれが感じられなかったのが残念。
ただ、自分のツボと遠いわけじゃないので、次作も読んでみたいなと思います。

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嬉しい事がかなり。笑。

今日は…というか。ピンポイントでついさっき。嬉しい事が二つありました。一つは、私の古くからの創作仲間が、こっそりブログを教えてくれたこと。笑。そしてもう一つは、最近知り合った創作仲間が、ちゃっかり純文学の小説大賞に応募しようとしてたこと。笑。いいね。凄く

  • [2005/11/28 01:59]
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  • 『国道246号の町より』 |
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「夜市」恒川光太郎

【さて、夜市で何を手に入れようか・・・】第12回日本ホラー小説大賞受賞作 「夜市」恒川光太郎著。 発表されたばかりの直木賞候補の作品でもある。 まずは表題作の「夜市」 全てのものが手に入るという不思議で幻想的で非現実的な夜市。幼い頃に迷い込んだこ....

夜市

第134回(H17年度下半期)直木賞候補作品が発表された。今の時点で既読なのは、伊坂幸太郎著「死神の精度」、恩田陸著「蒲公英草紙」、恒川光太郎著「夜市」。3作ともとても良かったの

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