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『桃山ビート・トライブ』 天野純希 

桃山ビート・トライブ
時は安土桃山時代、豊臣による治世にも翳りが見え始めた頃。
三味線を片手に諸国を巡り「いずれ天下一」を豪語する藤次郎。笛職人の息子に生まれ、その道を学ぶうちに笛を作るのではなく奏でるほうで身を立てたいと思い立った小平太。遠い異国からやってきて一時は信長に仕え、いつかは故郷へ帰ることを望む弥介。京の女猿楽の中でも一、二を争う役者だと言われながら、本能が望む踊りを求め続けるちほ。
4人が出会い、舞台の幕が上がる。

とにかく、勢いがすごい。「破天荒」という言葉が似合いますね。
時代は確かに安土桃山。信長、秀吉、三成、出雲のお国と歴史上の人物がどんどん出てくるし、日本と似たような架空の世界という印象ではない…のだけれど、明らかにこの時代には存在しない「メロディ」とか「リズム」なんていう単語があたりまえのように出てくる。
それが「この時代にこの単語を使うなんて」と思うか、「この感じ、面白い!」と思うか。たぶんバランスがいいんでしょうね。私はすっかり乗せられちゃいました。

あと、印象に残ったのは秀次の描かれ方。
秀吉の甥として生まれたという理由で関白の位にまで昇り、淀に子ができたことで邪魔者となり位を追われた彼は、私が今まで見たドラマや小説の中ではあまり個性がなく、時代に翻弄された人という印象しかなかったのですが、この小説の中の秀次はとても魅力的です。
そのかわり三成はずいぶんな役回りですが(苦笑)

彼らの勢いに乗せられて、一緒に盛り上がって、ラストまであっという間。
悲しいこともあったけれど、前に向かってつき進んでゆく彼らの姿が目に残り、読後感はとてもいいです。
荒いところも多いとは思いますが、その荒さも魅力だなーと思う一冊。

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